BellB - Bell 多項式
IncompleteBellB - 不完全な Bell 多項式
CompleteBellB - 完全な Bell 多項式
|
使い方
|
|
BellB()
IncompleteBellB()
IncompleteBellB[DiamondConvolution]()
CompleteBellB()
|
|
パラメータ
|
|
|
-
|
非負整数、またはそれを表す数式
|
|
-
|
多項式の主要変数、またはそれを表す数式
|
|
|
|
|
説明
|
|
•
|
BellB、IncompleteBellB、CompleteBellB は、それぞれ Bell 多項式、不完全な Bell 多項式(別称第二種 Bell 多項式)、完全な Bell 多項式を表します。Bell 多項式の詳細は、bell をご覧ください。
|
•
|
IncompleteBellB 多項式の定義は、数列 ()を用いて次の数列を作ります。
|
|
ただし、n 番目の要素は次の通り。xxx
|
•
|
CompleteBellB 多項式は、IncompleteBellB 多項式を用いて次のように定義されます。
|
|
CompleteBellB に渡される数列 の項数が よりも少ない場合、抜けているものは 0 とみなされます。
|
•
|
CompleteBellB、IncompleteBellB、IncompleteBellB:-DiamondConvolution は全て、 引数の一部として %seq や 'seq' の関数により生成された不活性数列を与えることができ、その場合計算はせず入力をそのまま戻します。
|
•
|
Bell 多項式は多くのアプリケーションで使われます。例えば、Faà di Bruno の公式は、
|
|
|
互換性
|
|
•
|
BellB、IncompleteBellB、CompleteBellB の各コマンドは Maple 15 より導入されました。
|
|
|
例
|
|
これら Bell 関数は、次数を指定する引数が正の整数のとき多項式となります。
>
|
BellB(n, z) = Sum(Stirling2(n, k)*z^k, k=0..n);
|
| (5.1) |
| (5.2) |
| (5.3) |
に対する の値の数列。
>
|
seq('BellB'(n, z) = BellB(n, z), n=0..3);
|
| (5.4) |
IncompleteBellB 多項式は、関数のパラメータがある特殊な値をとるとき特別な形となります。例えば、次の数列を考えます。
>
|
Z := z[1], z[2], z[3], z[4], z[5];
|
| (5.5) |
>
|
IncompleteBellB(0, 0, Z);
|
| (5.6) |
かつ 、 かつ 、 のときに、それぞれ IncompleteBellB は 0 となります。
>
|
IncompleteBellB(0, 1, Z), IncompleteBellB(1, 0, Z);
|
| (5.7) |
>
|
IncompleteBellB(1, 2, Z), IncompleteBellB(2, 3, Z), IncompleteBellB(3, 4, Z);
|
| (5.8) |
のとき、次の恒等式が成り立ちます。
>
|
IncompleteBellB(n, n, Z) = Z[1]^n;
|
| (5.9) |
| (5.10) |
全ての について のとき、次の恒等式が成り立ちます。
>
|
IncompleteBellB(n, k, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1) = Stirling2(n, k);
|
| (5.11) |
>
|
eval((5.11), {n=7, k=4});
|
| (5.12) |
に対して であるとき、次の恒等式(ここでは、不活性数列 %seq で表す)が成り立ちます。
>
|
IncompleteBellB(n, k, %seq(j!, j=1..(n-k+1))) = binomial(n,k)*binomial(n-1,k-1)*(n-k)!;
|
| (5.13) |
>
|
eval((5.13), {n=8, k=3});
|
| (5.14) |
| (5.15) |
IncompleteBellB の定義に用いた「ひし形」演算は、IncompleteBellB:-DiamondConvolution として直接呼び出すことができます。2 要素間の「ひし形」演算 の最初の 4 項は次の通りです。
>
|
IncompleteBellB:-DiamondConvolution(4, 2, [Z]);
|
| (5.16) |
IncompleteBellB:-DiamondConvolution を呼ぶときは、数列 をリストとして渡すことに注意してください。 の値は、上記第 4 項を 2! で割ったものとなります。
>
|
IncompleteBellB(4, 2, Z);
|
| (5.17) |
3 要素間のひし形演算 の最初の 5 項と、 の値は次の通り。
>
|
IncompleteBellB:-DiamondConvolution(5, 3, [Z]);
|
| (5.18) |
>
|
IncompleteBellB(5, 3, Z);
|
| (5.19) |
説明にある通り、 の値は を について足し合わせて計算します。
| (5.20) |
|
|
参考文献
|
|
|
Bell, E. T. "Exponential Polynomials", Ann. Math., Vol. 35 (1934): 258-277.
|
|
|