プロットビルダーは、Maple の機能を利用するためのポイントアンドクリックインターフェイスです。このインターフェイスには、指定した数式に応じた種類のプロットが表示されます。利用可能なプロットは、プロット、対話型プロット、アニメーション、対話型アニメーションです。選択したプロットの種類に応じて、以下を作成することができます:
プロットビルダーでは、以下の作業が可能です:
1. グラフを表示する前にプロットの変域を指定できます。
2. グラフの端点を Pi または sqrt(2) のように記号として指定できます。
3. アニメーションまたはパラメータをスライダーで制御する対話型プロットなど、多数の種類のプロットから選択することができます。つまり、プロットのコマンド構文の知識を持たなくても、多数の種類のプロットから選択し、オプションを適用することで、プロットのカスタマイズおよび表示が可能です。
4. 不連続なグラフに discont=true を適用することができます。
プロットビルダーからの出力は、ドキュメントで使用されたプロットを生成する数式またはコマンドのプロットになります。
プロットビルダーを起動するには、以下の手順に従います:
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[ツール(Tools)] メニューから [アシスタント(Assistants)]、[プロットビルダー(Plot Builder)] の順に選択します。注意 : [ツール(Tools)] メニューから、いくつかの学術分野のプロットを簡単に生成するチューターを実行することもできます。詳細については、Maple を使用した学習を参照してください。
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表 6.1 : プロットビルダーのウィンドウ
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1. [式の指定(Specify Expressions)] ウィンドウ
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2. [プロットの種類の選択(Select Plot Type)] ウィンドウ
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1. [式の指定(Specify Expressions)] ウィンドウ - 数式および変数の追加、編集、削除を行います。このウィンドウでの作業の終了後に、[プロットの種類の選択(Select Plot Type)] ウィンドウを表示することができます。
2. [プロットの種類の選択(Select Plot Type)] ウィンドウ - プロットの種類および対応するプロットの選択、範囲の設定を行います。このウィンドウでの作業の終了後に、プロットを表示するか、[Plot Options ] ウィンドウを表示することができます。
3. [Plot Options] ウィンドウ
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3. [Plot Options] ウィンドウ - プロットオプションを適用します。このウィンドウでの作業の終了後に、プロットを表示するか、プロットを生成したコマンドをドキュメントに返すことができます。
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例 1 - 1 変数の数式のプロットを表示する
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Maple では、2 次元グラフを表示することができます。また、色、タイトル、軸のスタイルなどの多数のオプションを設定し、プロットをカスタマイズすることができます。
プロットビルダーを起動します:
1. Maple の入力領域にカーソルを移動します。
2. [ツール(Tools)] メニューから [アシスタント(Assistants)]、[プロットビルダー(Plot Builder)] の順に選択します。
注意: 1. ワークシートモードの場合は、plots[interactive](); がドキュメントに挿入されます。
このコマンドを Maple プロンプトで入力した場合も、プロットビルダーが起動します。
2. プロットビルダーの実行中は、ドキュメントを操作できなくなります。
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数式を入力します:
3. [式の指定(Specify Expressions)] ウィンドウで、以下の手順を実行します:
a. 数式 sin(x)/x を追加します。
b. [OK] をクリックし、[プロットの種類の選択(Select Plot Type)] ウィンドウに進みます。
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数式をプロットします:
4. [プロットの種類の選択(Select Plot Type)] ウィンドウで、プロットの種類のデフォルト値が 2-D プロットであることと、x 軸の範囲が であることを確認します。この数式に対して、他にも様々なプロットの種類が利用可能であることも確認してください。
5. [プロット(Plot)] をクリックします。
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このプロットの生成に使用された Maple 構文を確認するには、プロットビルダーを使用して作成したプロットで返される Maple コマンドを参照してください。
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例 2 - 1 変数の複数の数式のプロットを表示する
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Maple では、複数の数式を同一プロット領域に表示し、比較対照を行うことができます。プロットビルダーでは、複数の数式を指定できます。
プロットビルダーを起動し、数式を入力します:
1. プロットビルダーを起動します。プロットビルダーでは、数式を 1-D Math で指定し、数式に対して基本的な計算を実行することができます。たとえば、diff(sin(x^2), x) を [式の指定(Specify Expression)] ウィンドウに入力すると、計算が実行され、数式が 2*cos(x^2)*x として [式(Expressions)] グループボックスに表示されます。
2. [式の指定(Specify Expressions)] ウィンドウで、以下の手順を実行します:
a. 数式 sin(x^2)、diff(sin(x^2),x)、int(sin(x^2), x) を個別に追加します。
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x 軸の範囲を変更します:
3. [プロットの種類の指定(Select Plot Type)] ウィンドウで以下の手順を実行します:
a. [x Axis (x 軸)] の範囲を -Pi .. Pi に変更します。
b. [オプション(Options)] をクリックし、[プロットオプション(Plot Options)] ウィンドウに進みます。
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[プロットオプション(Plot Options)] ウィンドウを表示し、プロットコマンドの構文をドキュメントに挿入します:
4. [コマンド(Command)] をクリックします。
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実際のプロットを表示します:
5. 挿入したコマンドを実行します。つまり、コンテキストメニュー項目 [評価(Evaluate)] を使用して、プロットを表示します。
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デフォルトでは、各プロットが異なる色でプロット領域に表示されます。また、グラフ内の各数式の線のスタイル (実線、破線、点線など) も設定できます。詳細については、?plot/options で表示されるヘルプページを参照してください。
このプロットの生成に使用された Maple 構文を確認するには、 プロットビルダーを使用して作成したプロットで返される Maple コマンドを参照してください。
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例 3 - 多変数の数式のプロットを表示する
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Maple では、3 次元グラフを表示することができます。また、照明モデル、面のスタイル、シェーディングなどの多数のオプションを設定し、プロットをカスタマイズすることができます。
プロットビルダーを起動し、数式を入力します:
1. 数式 (1+sin(x*y))/(x^2+y^2) を追加します。
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[プロットの種類の選択(Select Plot Type)] ウィンドウで以下の手順を実行します:
2. 2 変数の数式で使用可能なプロットの種類、および各種類のプロットオブジェクトを確認します。
3. [オプション(Options)] をクリックします。
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[Plot Options]ウィンドウで、以下の手順を実行します:
4. ダイアログの上部に配置されている [変数(Variables)] 列で、[範囲(Range from)] フィールドを 0 .. 0.05 に変更します。
5. [ラベル(Label)] に z と入力します。
6. [スタイル(Style)] グループボックスで、[面(surface)] を選択します。
7. [色(Color)] グループボックスの [照明モデル(Light Model)] ドロップダウンメニューで、[緑 - 赤(green-red)] を選択します。
8. [色(Color)] グループボックスの [シェーディング(Shading)] ドロップダウンメニューで、[z (グレイスケール) (z (grayscale))] を選択します。
9. [Miscellaneous] グループボックスの [グリッドサイズ(Grid Size)] ドロップダウンメニューで、[40, 40] を選択します。
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数式をプロットします:
10. [プロット(Plot)] をクリックします。
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このプロットの生成に使用された Maple 構文を確認するには、プロットビルダーを使用して作成したプロットで返される Maple コマンドを参照してください。
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例 4 - 等角プロットを表示する
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Maple では、複素式を、2 次元グリッドに写像した等角プロットで表示する、または 3-D で Riemann 面にプロットすることができます。
プロットビルダーを起動し、数式を入力します:
1. 数式 z^3 を追加します。
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[プロットの種類の選択(Select Plot Type)] ウィンドウで以下の手順を実行します:
2. [プロットの選択(Select Plot)] グループボックスで [2-D conformal plot of a complex-valued expression] を選択します。
3. z パラメータの範囲を 0 .. 2+2*I に変更します。
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[Plot Options] ウィンドウで、以下の手順を実行します:
4. [座標軸(Axes)] グループボックスで [標準(normal)] を選択します。
5. [Miscellaneous]グループボックスの [グリッドサイズ(Grid Size)] ドロップダウンメニューから [30, 30] を選択します。
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数式をプロットします:
6. [プロット(Plot)] をクリックします。
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例 5 - プロットを曲座標で表示する
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Maple では、デカルト (一般) 座標系がデフォルトです。Maple では、2 次元では双曲、逆楕円、対数、放物線、極、ローズ形、3 次元では双曲円柱、双球、円柱、逆楕円円柱、対数双曲余弦円柱、マクスウェル円柱、接線球面、トロイダルといった他の座標系も多数サポートしています。サポートされているすべての座標系のリストについては、?coords で表示されるヘルプページを参照してください。
プロットビルダーを起動し、数式を入力します:
1. 数式 1+4*cos(4*theta) を追加します。
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x 軸の範囲を変更します:
2. [プロットの種類の選択(Select Plot Type)] ウィンドウで以下の手順を実行します::
a. 2-D 極座標プロットが選択された状態で、theta (シータ) の [Angle (角)] を 0 .. 8*Pi に変更します。
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[Plot Options]ウィンドウで、以下の手順を実行します:
3. [色(Color)] グループボックスのドロップダウンメニューから [Magenta]を選択します。
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数式をプロットします:
4. [プロット(Plot)]をクリックします。
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このプロットの生成に使用された Maple 構文を確認するには、プロットビルダーを使用して作成したプロットで返される Maple コマンドを参照してください。
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例 6 - 対話型のプロット
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プロットビルダーでは、変数のいくつかを数値に設定した数式をプロットすることができます。[Interactive Parameter] ウィンドウを使用して、これらの数値を対話的に指定範囲内で調整し、その結果を確認することができます。このウィンドウを使用するには、2 つ以上の変数を持つ数式を入力し、[プロットの種類および機能の選択(Select Plot Type and Functions)] のドロップダウンメニューから [x のパラメータを持つ対話型プロット(Interactive Plot with x parameter)] を選択します。
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図 6.1 : [Interactive Parameter] ウィンドウ
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プロットビルダーを起動し、数式を入力します:
1. 数式 x+3*sin(x*t) を追加します。
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[プロットの種類の選択(Select Plot Type)] ウィンドウで以下の手順を実行します:
2. [プロットの選択(Select Plot)] グループボックスで [Interactive Plot with 1 parameter] を選択します。
3. [x Axis (x 軸)] の範囲を 0 .. 2*Pi に変更します。
4. t の範囲を 0 .. 10 に変更します。
5. [プロット(Plot)] をクリックし、[Interactive Parameter] ウィンドウを表示します。
注意:プロットを対話的に調整する前にプロットオプションを設定するには、[オプション(Options)] をクリックして [Plot Options] ウィンドウを表示します。プロットオプションを設定したら、[プロット(Plot)] をクリックして [Interactive Parameter] ウィンドウを表示します。
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6. 数値を調整するには、スライダーを使用します。
7. [完了(Done)] をクリックすると、Mapleドキュメントにプロットが表示されます。
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このプロットの生成に使用された Maple 構文を確認するには、プロットビルダーを使用して作成したプロットで返される Maple コマンドを参照してください。
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プロットビルダーを使用したプロットのカスタマイズについては、プロットのカスタマイズ プロットビルダーのオプションを参照してください。