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3 ワークシートモード
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スタンダードワークシートインターフェイスのワークシートモードは、以下の用途に使用します:
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Maple コマンドによる対話型の操作。コンテキストメニューや構文を使用しない方法では利用できない高度な機能や細かな制御が可能です。
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強力な Maple 言語によるプログラミング。
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ワークシートモードでは、第 1 章で説明されている Maple の機能すべてと第 2 章で説明されている Maple の機能のほとんどを利用することができます。
上記機能については、第 1 章はじめる前におよび第 2 章ドキュメントモードを参照してください。
注意 : ドキュメントブロックを使用すると、ワークシートモードでドキュメントモードのすべての機能を使用することができます。ドキュメントブロックについては、ドキュメントブロックを参照してください。
注意 : この章および以降の章は、第 7 章を除いて、ワークシートモードを使用して作成されています。
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3.1 この章の内容
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セクション
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セクション
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入力プロンプト - 入力場所
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2-D Math および 1-D Math の入力
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コマンド - 計算およびその他の処理を実行するための多数のルーチン
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パレット - クリックまたはドラッグして挿入できる項目
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コンテキストメニュー- 一般的な操作を実行するポップアップメニュー
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アシスタントおよびチューター- ボタンやスライダーを使用したグラフィカルインターフェイス
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タスクテンプレート - タスクを実行するために挿入して使用できるプレースホルダー付きコマンドセット
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テキスト領域 - ドキュメント内でテキストを入力できる領域
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名前 - 数式に割り当てる参照
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方程式ラベル - 数式の参照に使用可能な自動生成ラベル
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3.2 入力プロンプト
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ワークシートモードでは、Maple 入力プロンプト (
) で入力を行います。入力のデフォルトモードは、数式 (2-D Math) モードです。
入力を評価するには、以下の手順に従います:
入力の下に結果 (出力) が表示されます。
たとえば、 の値を求めるには、式を入力し、Enter キーを押します。
>
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| (3.1) |
2 つの分数の和を計算する場合は次のようになります。
>
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| (3.2) |
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出力の非表示
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出力を非表示にするには、入力の最後にコロン (:) を入力します。
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Maple の入力および出力のセットを実行グループと呼びます。
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1-D Math 入力
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テキストモード (1-D Math) で入力することもできます。入力は、1 次元の文字式列として入力されます。1-D Math 入力は赤色で表示されます。
1-D Math で入力するには、以下の手順に従います:
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入力プロンプトで、F5 キーを押すか、または、ツールバーの [テキスト(Text)] ボタン
をクリックして、2-D Math モードと1-D Math モードを切り替えます。
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重要 : 1-D Math 入力では、最後にセミコロンまたはコロンを入力する必要があります。セミコロンが使用された場合は、出力が表示されます。コロンが使用された場合は、出力が表示されません。
デフォルトの入力モードを1-D Mathに設定するには、以下の手順に従います:
1. [ツール(Tools)] メニューから [Options] を選択します。[Options] ダイアログが表示されます。
2. [Display] タブの [Input Display] ドロップダウンリストから [Maple Notation] を選択します。
3. [Apply to Session] (現在のセッションだけに適用する場合) または [Apply Globally] (すべてのMapleセッションに適用する場合) をクリックします。
2-D Math 入力から 1-D Math 入力へ変換するには、以下の手順に従います:
1. 2-D Math 入力を選択します。
2. [フォーマット(Format)]メニューから、[変換(Convert To)]、[テキスト入力(1-D Math Input)] の順に選択します。
重要 : ドキュメントモードでは、文が数式モードで入力された場合にのみ実行することができます。
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入力用区切り文字
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1-D および 2-D Math 入力では、セミコロンまたはココロンを使用して、同一行に入力される複数の項目を区切ることができます。
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セミコロンまたはコロンが使用されていない場合は、1 つの入力として処理されます。 それにより、次に示すような予期しない結果になるか、エラーになります。
>
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3.3 コマンド
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Maple は、多数のコマンドおよび強力なプログラミング言語を装備しています。ほとんどの Maple コマンドは、Maple プログラミング言語を使用して記述されています。
コマンドは、1-D Math または 2-D Math を使用して入力することができます。Maple でのプログラミングの際には、1-D Math を使用する必要があります。Maple プログラミングの概要は基本的なプログラミングで説明されています。
Maple コマンドの使用方法を習得するには、該当のヘルプページを参照するか、タスクテンプレートを使用します。詳細については、Maple のヘルプシステムおよびタスクテンプレートを参照してください。
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Maple ライブラリ
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Maple コマンドは Maple ライブラリに含まれています。コマンドには、最上位コマンドとパッケージコマンドの 2 種類があります。
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最上位コマンドは、最もよく使用される Maple コマンドです。
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パッケージは、微積分、線形代数、ベクトル解析、コード生成などの分野に特化した関連コマンドの集合です。
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すべてのパッケージおよびコマンドのリストについては、index ヘルプページを参照してください。Maple のヘルプシステムについては、Maple のヘルプシステムを参照してください。
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最上位コマンド
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最上位コマンドを使用するには、その名前の後に、パラメータを括弧 ( ) で囲んで入力します。これを、コマンドの呼び出し手順と呼びます。
注意 : 1-D Math 入力では、呼び出し手順の最後にセミコロンまたはコロンを付けて入力します。
たとえば、数式を微分するには、diffコマンドを使用します。パラメータには、最初に微分する数式、次に独立変数を指定します。
>
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BesselI や AiryAi などのライブラリに含まれるすべての関数のリスト (数学関数を実装するコマンド) については、?initialfunctions で表示されるヘルプページを参照してください。
>
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関数のプロパティの詳細については、 FunctionAdvisor コマンドで確認してください。
>
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Maple での関数の使用方法の詳細については、該当する関数のヘルプページを参照してください。
次に例を示します。
>
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注意 : 1-D Math 入力および2-D Math 入力では、? と入力してヘルプページを表示する場合は、最後にセミコロンまたはコロンを入力する必要はありません。
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最上位コマンド
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最も良く使用する Maple コマンドの一部を以下に示します。すべての最上位コマンドのリストは、
[ヘルプ(Help)] → [マニュアル、リソース、その他(Manuals, Resources, and more)] → [コマンド一覧(List of Commands)] から入手することができます。
表 3.1 : 最上位コマンド
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コマンド名
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説明
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plot および plot3d
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関数の 2 次元および 3 次元プロットを作成します。
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solve
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与えられた未知変数に関して方程式系(不等式系)を解きます。
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fsolve
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浮動小数点演算を使用して方程式を解きます。
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eval
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指定した点で数式を評価します。
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evalf
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数式を数値的に評価します。
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dsolve
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常微分方程式 (ODE) を解きます。
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int
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不定積分または定積分を計算します。
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diff
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文脈に応じて、導関数または偏導関数を計算します。
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limit
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関数の極限値を計算します。
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sum
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記号総和に使用します。閉形式の無限和と有限和の計算に使用します。
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assume/is
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変数の特性と、変数の関係を設定します。同様の機能は、assuming コマンドでも提供されています。
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assuming
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仮定の下に数式の値を計算します。
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simplify
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簡約ルールを数式に適用します。
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factor
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多項式を因数分解します。
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expand
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分配法則を適用します。
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normal
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有理式を正規化します。
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convert
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数式を異なる型に変換します。
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type
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型チェックを実行するコマンドです。多くの場合、数式の正確な値を知る必要はなく、共通の特性を持つ数式の大きなクラス (グループ) に数式が属していることがわ
かれば十分です。これらのクラス (グループ) を型 と呼びます。
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series
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級数展開を行います。
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map
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数式の各オペランドにプロシージャを適用します。
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パッケージコマンド
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パッケージコマンドを使用するには、呼び出し手順でパッケージ名を指定し、コマンド名を角括弧 ([ ]) で囲んで指定します。
package[command](arguments)
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パッケージ内のコマンドを頻繁に使用する場合は、パッケージをロードします。
パッケージをロードするには、以下の手順に従います:
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パッケージ名を引数として指定した with コマンドを使用します。
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with コマンドは、ロードされているパッケージコマンドのリストを返します (呼び出し手順の最後にコロンを入力して出力を非表示にしている場合を除く) 。
パッケージをロードした後は、そのコマンドをショートフォームで、つまり、パッケージ名を指定せずにコマンドを使用することができます。
たとえば、Optimization パッケージの NLPSolve コマンドを使用して、数式の局所最小値およびその最小値に対応する従属変数の値を求めることができます。
>
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>
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>
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最適化の詳細については、最適化を参照してください。
パッケージをアンロードするには、以下の手順に従います:
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パッケージ名を引数として指定した unwith コマンドを使用します。
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>
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または、restart コマンドを使用します。restart コマンドは Maple の内部メモリを消去します。その結果、名前の割り当てはすべて解除され、パッケージはすべてアンロードされます。詳細については、 ?restart で表示されるヘルプページを参照してください。
一部のパッケージには、最上位コマンドと同一名のコマンドが含まれています。 たとえば、plots パッケージには、changecoords コマンドが含まれています。Maple にも changecoords という最上位コマンドがあります。
>
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plots パッケージがロードされた後は、changecoords の名前は plots[changecoords] コマンドを指すようになります。最上位の changecoords コマンドを使用するには、その前にパッケージをアンロードするか、restart コマンドを使用する必要があります。(最上位コマンドを使用する他の方法については、?rebound で表示されるヘルプページを参照してください)
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最上位パッケージ
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最も良く使用する Maple パッケージの一部を以下に示します。すべてのパッケージのリストは、[ヘルプ(Help)] → [マニュアル、リソース、その他(Manuals, Resources, and more)] → [パッケージ一覧(List of Packages)] から入手することができます。
表 3.2 : 最上位パッケージ
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パッケージ名
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説明
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CodeGeneration
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Code Generation パッケージは、コマンドおよびサブパッケージをまとめたものです。このパッケージを使用して、Maple コードを C、C#、Fortran、MATLAB、Visual Basicなどの他のプログラミング言語に変換することができます。
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LinearAlgebra
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Linear Algebra パッケージには、行列およびベクトルの構築と操作、および線形代数を解決するためのコマンドが含まれています。 LinearAlgebra のルーチンは、行列、ベクトル、スカラーの 3 種類の基本データ構造体を処理します。
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Optimization
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Optimization パッケージは、最適化問題の数値解を得るためのコマンドをまとめたものです。最適化問題では、場合によっては制約付きの目的関数の最小値または最大値を求めます。
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Physics
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Physics パッケージは、数理物理学の計算で使用される大部分のオブジェクトの計算表示および関連する演算を実行します。
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RealDomain
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Real Domain パッケージは、基本の数体系を複素数体とするデフォルトの環境の代わりに、基本の数体系を実数体とする環境を提供します。
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ScientificConstants
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Scientific Constants パッケージは、光の速度、ナトリウムの原子重量などのさまざまな物理定数の値を提供します。このパッケージは、各定数の値の単位を提供しているため、方程式の理解に役立ちます。また、解の照合により、解の誤りをチェックできます。
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ScientificErrorAnalysis
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Scientific Error Analysis パッケージは、中央値および対応する不確定性 (誤差、つまり数量の値の精度) のある数量の表示と構築を行います。これらの数量について、さまざまな誤差解析の一次計算を実行することができます。
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Statistics
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Statistics パッケージは、数学的な統計およびデータ解析の計算を実行するツールをまとめたものです。パッケージは、数量的およびグラフィカルなデータ解析、シミュレーション、曲線近似 (カーブフィッティング) などの幅広い一般的な統計タスクをサポートしています。
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Student
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Student パッケージは、一般的な学部レベルの数学の教育および学習の支援用に設計されたサブパッケージをまとめたものです。関数、計算、定理をさまざまな方法で表示する多数のコマンドが含まれています。また、重要な計算の段階的な実行をサポートします。
Student パッケージには、以下のサブパッケージが含まれています:
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Units
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Units パッケージには単位換算のコマンドが含まれ、単位を使用した計算を実行する環境を提供します。約 300 個の単位名 (メートル、グラムなど) と、さまざまな背景のある 550 個以上の単位 (標準マイルと U.S. survey miles など) を提供します。また、Maple には、数式の単位を簡単に入力できる [単位記号(Units)] パレットが 2 つ含まれています。
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VectorCalculus
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Vector Calculus パッケージは、多変数およびベクトル解析演算を実行するコマンドをまとめたものです。多数の定義済み直交座標系を利用できます。パッケージ内のすべての計算は、これらの座標系のいずれでも実行可能です。カスタムの直交座標系を追加し、その座標系で計算する機能を装備しています。
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3.4 パレット
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パレットは、クリックまたはドラッグして挿入できる関連項目をまとめたものです。例については、図 3.1 を参照してください。
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図 3.1 : [式(Expression)] パレット
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パレットを使用して入力することができます。
たとえば、[式(Expression)]パレットの定 積分項目
を使用して定積分を評価することができます。
2-D Math モードで定積分項目をクリックすると、次のように入力されます:
>
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1. プレースホルダーに値を入力します。次のプレースホルダーに移動するには、Tabキーを押します。
注意 : Tab キーを押すとタブが挿入される場合は、ツールバーの[Tab] アイコン
をクリックします。
2. 積分を評価するには、Enter キーを押します。
>
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1-D Math モードで定積分項目をクリックすると、対応するコマンド呼び出し手順が入力されます。
問題の値を指定し (次のプレースホルダーに移動するには Tab キーを使用します)、Enterキーを押します。
>
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int(tanh(x), x = 0..1);
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注意 : 一部のパレット項目は Maple 言語で定義されていないため、1-D Math では挿入できません。カーソルが 1-D Math 入力のときに、使用不可のパレット項目はグレー表示されます。
パレットの詳細については、第1章のパレットを参照してください。
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3.5 コンテキストメニュー
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コンテキストメニューは、オブジェクトに対して実行可能な処理を示すポップアップメニューです。図 3.2 を参照してください。
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図 3.2 : 整数に対するコンテキストメニュー
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ワークシートモードでは、コンテキストメニューを使用して、2-D Math で処理を実行し、出力することができます。
コンテキストメニューを使用するには、以下の手順に従います:
1. 数式を右クリック (Macintosh の場合は Control キーを押しながらクリック) します。コンテキストメニューが表示されます。
2. コンテキストメニューから処理を選択します。
以下を含む実行グループが挿入されます:
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例 1 - コンテキストメニューの使用
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浮動小数点数 に近似する有理式 (分数) を求めます。
動作
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ドキュメントに表示される結果
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1. 式を入力し、実行します。
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| (3.3) |
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2. 出力された浮動小数を右クリック (Macintoshの場合は Control キーを押しながらクリック) します。
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3. コンテキストメニューから [変換(Conversions)]、[有理数(Rational)] の順に選択します。挿入された呼出し手順には、変換対象の数値について方程式ラベル参照が使用されていることに注意してください。
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>
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方程式ラベル参照が使用されたことに注意してください。方程式ラベルおよび方程式ラベル参照については、方程式ラベルを参照してください。
コンテキストメニューの詳細については、第 2 章のコンテキストメニュー を参照してください。
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3.6 アシスタントおよびチューター
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アシスタントおよびチューターでは、ボタン、テキスト入力領域、スライダーを使用したポイントアンドクリックによる操作が可能です。図 3.3 を参照してください。
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図 3.3 : ODE アナライザーアシスタント
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アシスタントまたはチューターの起動
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アシスタントまたはチューターを起動するには、以下の手順に従います:
1. [ツール(Tools)]メニューを開きます。
2. [アシスタント(Assistants)] または [チューター(Tutors)] を選択します。
3. 目的のアシスタントまたはチューターまで移動し、選択します。
アシスタントおよびチューターの詳細については、第 1 章のアシスタントを参照してください。
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3.7 タスクテンプレート
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Mapleでは、さまざまな問題を解くことができます。タスクテンプレート機能を使用して、一般的なタスクの実行に必要なコマンドをすばやく特定して使用することができます。
タスクテンプレートを挿入したら、問題のパラメータをプレースホルダーで指定し、コマンドを実行するか、ボタンをクリックします。
Task Browser (図 3.4) は、タスクテンプレートをテーマごとに整理して表示します。
[Task Browser] を起動するには、以下の手順に従います:
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[ツール(Tools)] メニューから、[タスク(Tasks)]、[参照(Browse)] の順に選択します。
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ヘルプシステムの [コンテンツのテーブル(Table of Contents)] で、タスクテンプレートを選択することもできます。
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図 3.4 : Task Browser
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タスクテンプレートの挿入と使用の詳細については、タスクテンプレートを参照してください。一般的なタスクを実行するために、独自のタスクテンプレートを作成することも可能です。詳細については、?creatingtasks で表示されるヘルプページを参照してください。
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3.8 テキスト領域
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ワークシートモードで説明を追加するには、テキスト領域を使用します。
テキスト領域を挿入するには、以下の手順に従います:
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ツールバーで [テキスト領域] アイコン
をクリックします。
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テキスト領域のデフォルトモードは、テキストモードです。
テキスト領域では、以下を実行することができます:
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テキストモードと数式モードを切り替えながら、インラインに数式を含むテキストを入力する。テキストモードと数式モードを切り替えるには、F5 キーを押すか、ツールバーで [Math] アイコンまたは [テキスト] アイコン
をクリックします。
注意 : テキスト領域の数式は評価されません。入力プロンプトで入力すると、評価される数式を入力できます。
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パレット項目を挿入する。パレット項目は、数式モード (2-D Math) で挿入されます。
注意 : パレット項目の入力後にテキストモードに戻るには、F5 キーを押すかツールバーのアイコンをクリックする必要があります。
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テキスト領域内のテキストをフォーマットすることができます。以下を設定できます:
ドキュメントのフォーマットの詳細については、数学ドキュメントの作成を参照してください。
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3.9 名前
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数式をその都度入力する代わりに、数式を名前に割り当てる、または方程式ラベルを数式に追加することができます。これにより、名前や方程式ラベル参照を使用して、数式を簡単に参照することができます。ラベルについては、この後のセクション方程式ラベルを参照してください。
注意: 変数マネジャーを使うと、Maple セッションで現在アクティブな、トップレベルの割り当てられている変数を管理することができます。変数マネジャーについての詳細は、 変数マネジャー ヘルプページをご覧ください。
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名前への割り当て
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数値、データ構造体、プロシージャ (Maple プログラムの一種)、その他の Maple オブジェクトなど、Maple の任意の数式を名前に割り当てることができます。
名前の初期値はその名前自身です。
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割り当て演算子 (:=) は、式を名前に対応付けます。
>
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は、以下のいずれかの方法で入力することができます。
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[一般記号(Common Symbols)] パレットを使用します。
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名前を含む数式を Maple で評価すると、名前がその値に置換されて処理されます。次に例を示します:
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Maple の評価ルールの詳細については、数式の評価を参照してください。
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数学関数
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関数を定義するには、関数を名前に割り当てます。
たとえば、引数の 3 乗を計算する関数を定義します。
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関数の作成については、数学関数を定義するを参照してください。
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注意 : 右矢印記号を挿入するには、-> と入力します。2-D Mathでは、-> が右矢印記号に置換されます。1-D Mathでは置換されません。
たとえば、引数を 2 乗する関数を定義します。
関数の詳細については、関数演算子を参照してください。
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保護名
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保護名は、事前に定義された、または予約されている有効な名前です。
保護名に割り当てようとすると、Maple はエラーを返します。
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Error, attempting to assign to `sin` which is protected
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詳細については、?type/protected および ?protect で表示されるヘルプページを参照してください。
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名前の割り当て解除
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unassign
コマンドは、名前の値をその名前自身に再設定します。注意 : 名前は右単一引用符 (' ') で囲む必要があります。
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右単一引用符 (非評価引用符) を使用すると、その名前が Maple で評価されなくなります。非評価引用符の詳細については、評価の後回しまたは ?uneval
で表示されるヘルプページを参照してください。
非評価引用符を使用して名前の割り当てを解除するも参照してください。
すべての名前の割り当て解除
restart コマンドは、Maple の内部メモリを消去します。その結果、すべての名前の割り当てが解除されます。詳細については、?restart で表示されるヘルプページを参照してください。
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有効な名前
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Maple名には、以下のいずれかを使用する必要があります。
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アルファベットで始まる、英数字および下線文字 (_) で構成された文字列。注意 : 2-D Math で下線文字を入力するには、\_のようにバックスラッシュ文字に続けて下線文字を入力します。
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重要 : 名前の最初の文字に下線文字を使用することはできません。Maple では、下線文字で始まる名前は Maple ライブラリ用に予約されています。
有効な名前の例を以下に示します:
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polynomial1_divided_by_polynomial2
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3.10 方程式ラベル
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Maple では、各実行グループの出力に、一意の方程式ラベルを設定します。
注意 : 方程式ラベルは、出力の右側に表示されます。
>
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| (3.4) |
方程式ラベルを使用して、他の計算の結果を参照することができます。
>
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| (3.5) |
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方程式ラベルの表示
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重要 : デフォルトでは、方程式ラベルが表示されます。方程式ラベルが表示されない場合は、以下の操作の両方を行います。
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[フォーマット(Format)] メニューから [方程式のラベル(Labels)] を選択し、[ワークシート(Worksheet)] が選択されていることを確認します。
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[Options] ダイアログ ([ツール(Tools)] → [Options]) の [Display] タブで、[Show equation labels] が選択されていることを確認します。
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前の結果の参照
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計算で前の結果を再入力する代わりに、方程式ラベル参照を使用することができます。前の結果を参照する必要がある箇所に、方程式ラベル参照を挿入します。
方程式ラベル参照を挿入するには、以下の手順に従います:
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[挿入(Insert)] メニューから [ラベル(Label)] を選択します。または、Ctrl + L (Macintosh の場合は Command + L) と押します。
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[ラベルを挿入(Insert Label)] ダイアログ (図 3.5 を参照) で、ラベルの値を入力し、[OK] をクリックします。
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図 3.5 : [ラベルを挿入(Insert Label)] ダイアログ
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参照が挿入されます。
次に例を示します。
(3.4) と (3.5) の積を積分するには、以下の手順に従います:
動作
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ドキュメントに表示される結果
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1. [式(Expression)] パレットで、不定積分項目
をクリックします。項目が挿入され、被積分のプレースホルダーが強調表示されます。
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2. Ctrl+L (Macintosh の場合は Command+L) と押します。
3. [ラベルを挿入(Insert Label)] ダイアログで、3.4 と入力します。[OK] をクリックします。
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4. * キーを押します。
5. Ctrl+L (Macintosh の場合は Command+L) と押します。
6. [ラベルを挿入(Insert Label)] ダイアログで、3.5 と入力します。[OK] をクリックします。
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7. 積分のプレースホルダーに移動するには、Tab キーを押します。
8. x と入力します。
9. Enter キーを押して積分を評価します。
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>
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| (3.6) |
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複数の出力のある実行グループ
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方程式ラベルは、実行グループ内の最後の出力に対応付けられます。
>
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| (3.7) |
>
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| (3.8) |
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ラベルの番号付け方法
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方程式ラベルの番号付け方法は 2 種類あります:
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ワークシート単位 (Flat) - 各ラベルには、1、2、3 のように 1 つの番号が付きます。
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セクション単位 (Section) - 各ラベルは、ラベルのあるセクションに従って番号付けされます。たとえば、2.1 は 2 番目のセクションの最初の方程式、1.3.2 は最初のセクションの 3 番目のサブセクションにある 2 番目の方程式をそれぞれ示します。
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方程式ラベルの番号付け方法を変更するには、以下の手順に従います:
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[フォーマット(Format)] メニューから [方程式のラベル(Labels)]、[ラベルの形式(Label Display)] の順に選択します。[ラベルの形式(Format Labels)] ダイアログ (図 3.) で、いずれかの形式を選択します。
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図 3.6 : [ラベルの形式(Format Labels)] ダイアログ : 接頭辞の追加
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方程式ラベルの特徴
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方程式ラベルは方程式そのものを説明する名前ではありませんが、重要な特徴があります。
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ラベルは一意ですが、名前は誤って複数回異なる用途で割り当ててしまうことがあります。
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Maple では、出力値のラベルは連番で設定されます。出力を削除または挿入すると、方程式ラベルの番号が自動的に再設定され、ラベル参照が更新されます。
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方程式ラベルの形式を変更した場合 (ラベルの番号付け方法を参照) は、自動的にすべての方程式ラベルおよびラベル参照が更新されます。
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名前の割り当て、使用、割り当て解除については、名前を参照してください。
方程式ラベルの詳細については、?equationlabel で表示されるヘルプページを参照してください。
以下の章では、方程式の解き方、プロットおよびアニメーションの生成方法、数学ドキュメントの作成方法を説明します。以下の章は、ワークシートモードを使用して作成されています。特に記載がある場合を除き、ワークシートモードとドキュメントモードの両方の機能をすべて利用できます。
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